pomeraで歌を書いてみたり

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歌を書く作業は、だいたい手書きのメモのかたちから始まる。無印良品のらせん綴じのノートに、シャープペン。思いついたことばを書いては捨て書いては捨て――消しゴムは使わない。書き損じたり、違うと思ったときは書き直す――おおかた固まったら、手書きで清書し、それをふたたびパソコンで打ち直す。ここまでずっと横書き。横のものが縦になるのは最後の最後、原稿をWordで印刷する段階になってから。
歌に限らず何事も、いっぺんにぱッとことが仕上がらない人間である。工程のどこかをスキップしてもよさそうなものだが、一連の作業にリズムみたいなものがあるといえばある。紙から画面に移すとき、横書きから縦書きへ移すとき、少なくとも、一旦は立ち止まって再読する。推敲するしないは別として、この「間」は必要だ。

出先で歌を思いついたら、携帯電話でメモを取る人も多いだろう。あれができたら便利だろうと思う。しかしわたしはあの「親指入力」というのが限りなく苦手だ。平仮名一文字を呼び出すあの面倒ときたら!字を探している間に何を考えていたのか忘れてしまう。
単なる慣れの問題なのだ。わたしはブラインドタッチでキーを叩くのは(さほど速くも正確でもないが)一向に苦にならない。

ずっと前から、小さい小さいワープロみたいなものがあったら欲しいなと思うことは何度もあった。歌はせいぜい一行だから、手書きでも何とでもなるが、ちょっと(こんなblogの記事程度の長さでも)文章を書こうと思ったら、もう手書きではどうにも「筆が進まない」。
かと言って、ノートパソコンは、わたしがやりたいことに対して、高くて重くて大袈裟すぎる。それに、パソコンはネットにつないだらおしまいだ。水は高いところへは流れてくれない。だらだらネットばっかり見て歌なんぞ書かないに決まっている。

そこでpomeraという話になってくる。一番心配だったキータッチが、きゅうくつながら、通勤電車の膝の上でも打てるクオリティだったのがうれしかった。打った字がちまちまと積み重なっていく様子、(これどっかで見たことあるなぁ)とよくよく考えたら、思い出した。ゲームボーイの初代機でやったテトリスに似ている。
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ま、歌でも文章でも中身が大事なわけで、たかが道具されど道具と言ってしまえば、それまで。でもちょっとした気分や使い心地が、こころのはずみになるのなら、それも悪くないかと思う。pomeraなかなか、使えるで。ええで。
http://www.kingjim.co.jp/pomera/
ただスーツの胸ポケットには無理やと思う。作業着やったらともかく。
by konohana-bunko | 2009-02-09 22:38 | 日乗

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり