はじまりがはじまるはなし

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次々とあたらしいことが身辺に起こり、今までと違った毎日が押し寄せて来た。忘れないうちに書いておく、はじまりがはじまるはなし。

5月19日に智林堂さんにおじゃまして編み物をしていた時、ちりんさんから
古本ソムリエさんがお店を出されるんですってね」という話が出た。
そうそう、これって事件やんね。わたしもソムリエさんの日記をほぼ毎日読んでいるのだが、このお知らせを読んだ日には画面に向かって「えーーッ」と叫んでしまった。
「せっかく買いはったのに手放すのは淋しくないんでしょうかね」
「でももうきっとほんまに置く場所がなくなりはったんと違いますか」
わたしがしゃべると、どうも近所のおばちゃんの噂話みたいになってしまう。(ちりんさん、7月5日オープンだそうですよ。行ってみましょうねカメラ持って。)
その話の流れで、ちりんさんから
「このはなさんはお店をされないんですか?」と尋ねられて、ちょっと考え込んでしまった。
古本屋さんに行くのは好きだが、自分に店が「できる」と思ったことはなかったからだ。だいたいそんなようけ、本を持っていない。
「主人が商売をしているので、そちらの店を出すことがあったら、そこへ少し置かせてもらえたらいいなあって」
ちりんさんはにこにこして聞いて下さっていた。この時点では、まさか本当に店ができるとは思ってもいなかった。

この会話があった直後、あたらしいことがあれよあれよと起き始めた。夫の事務所の移転が決まり、そこでボタンと服飾副資材の店をすることになり、併せて古本も置かせてもらえることになった。わたしは猫の頭撫で放題の専業主婦を2ヶ月で返上、大阪市内へ通勤することに。生きていると、こんなことも起こるものらしい。

もし古本が好きで、古本に関して何か夢をお持ちの方おられましたら、奈良の智林堂書店さんに行かれて、ちりんさんに語ってみられることをおすすめします。
ひょっとしたら、何かが起こるかもしれません。もし何も起きなくても、いい本がいっぱいありますから大丈夫。お店を見て帰られるだけでも十分お得ですので。ぜひ。
by konohana-bunko | 2009-06-10 10:05 | 日乗

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり