不幸な人の友だちであろうとして

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さっきGmailの受信ボックスを開けてみたら、「[書評]のメルマガ」vol.433が届いていた。「エエジャナイカ」の北村知之さんの文章を読む。「全著快読 編集工房ノアを読む(11)」。白楽天の漢詩を口語訳(?)したものが引かれている。以下引用。

《きたの はなぞの
きたの その はるかぜ ふいて
はなばなが つぎつぎ ひらく
すぐ ちると しって いるから
いちにちに さんど よど くる
はなの した おさけは あるが
つぎかけて やはり ためらう
わが ともは せんりの かなた
さあ のめと いう やつが ない

元版の『白楽天詩集』(六興出版)には、吉川幸次郎の帯文があり、「白楽天という詩人は、不幸な人の友だちであろうとして、誰にでもわかる言葉で詩をつづることに努力した」と書かれているらしい。》

引用終わり。引用の引用の引用の……ひ孫引きみたいになってしまうけれども、このひらがなの詩の最後の行と、「白楽天という詩人は……」のくだりで、ちょっとだけ泣きそうになった。白楽天って、そうなんか……。
不幸な人は、友だちがいてもいなくても不幸だ。でも「不幸な人の友だちでありたい」と願うこころはうつくしいものだと思う。
北村さんの文章ええなあ。好きやなあ。

今日ちょうど向井敏の『傑作の条件』を出品しようとぱらぱらしていて、最初の方に開高健の

《くさはうらうら あめはしとしと
はなにはるかぜ まだつめたい
しょんがいな しょんがいな
ごろりちゃらりと ねしょうがつ》

が載っているのを見つけてなつかしくなっていたところ。この本、まだちゃんと全部読めてない……読んでから出すか?せやけどそんなこと言うて置いたある本増えるばっかりやでぇ。うーん。
Commented by kazuto at 2009-11-18 17:04 x
はなの した おさけは あるが
つぎかけて やはり ためらう
わが ともは せんりの かなた
さあ のめと いう やつが ない

このフレーズ、心に沁みます。
Commented by konohana-bunko at 2009-11-18 22:41
kazutoさま しみじみしてしまいますね。
Commented by かねちょも at 2009-11-21 09:22 x
ここの記事をいっぺん読んで、もういっぺん読んで、ちょうどそのとき、テレビで北海道の過疎の村にある芸術高校の生徒さんの作品をテレビで紹介していて、なんか鼻の奥がツーンとして、目がじゅわっとしてしまいました。
Commented by konohana-bunko at 2009-11-26 15:32
かねちょもさま お返事遅くなりました。
ああ、わたしもそんな経験、あります。何なんでしょうね。普段は閉まっている感情の扉が、無防備に開いてしまうんでしょうか。
by konohana-bunko | 2009-11-17 22:19 | 日乗 | Comments(4)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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