春日権現験記と鹿の母子

11月26日(木)、奈良へ。この日はめずらしく、古本屋さん巡りではなく、まっすぐ春日大社へ。お目当ては「春日権現験記」。
奈良公園、あちらの木もこちらの木もきれいな紅葉。
c0073633_22583189.jpg
いつだったか、国立博物館で、春日若宮おん祭の様子を描いた絵巻物を見たことがある。(あれ、面白かったなァ、あれで歌詠んだりもしたナ)などと思い出したりしていたところへ、NHKの日曜美術館で、「験記」が紹介されたのを観たものだから、気分はすっかり右から左へ話が流れる絵巻モードになってしまったのだった。
日曜美術館で紹介されていたお験記は宮内庁蔵の原本で、東京の国立博物館「皇室の名宝」展に出ていた由。(林哲夫さんがご覧になっています。)今回春日大社で公開されているのは、春日本という江戸時代の写本。
宝物殿はほどよい空き具合。絵巻は20巻も出ている。大盤振る舞いだ!原本でないのが残念といえば残念だが、その分傷みも少なく、絵の具の色も鮮やかで見やすい。
印象に残ったところ、地獄絵。春日の神さまに憑依された橘氏女が、全身からよい香りを放ち、その手足を舐めると甘かったというエピソード。ぶちの犬。衣装の柄。板塀にからまったへちまの花。縁の下で雨宿りをする鹿。あくびをする牛の舌。花が咲き、鳥が飛び交う貴族の家の庭。畳の上にねそべって本を読む貴人の子、木片運びを手伝う大工の子たち。
c0073633_2301287.jpg
絵巻気分のまま、駅へ戻るゆるい下り坂を歩いていたら、鹿の母子がいた。子鹿はお乳をねだって、母鹿のお腹に頭突きを繰り返す。それも、ハンパない勢い、母鹿の後ろ足が宙に浮くくらいの力で。あんなにゴンゴンされて母鹿は痛くないのか……?そもそも、もういい加減乳離れの時期ではないのか。
c0073633_2303453.jpg
こちらは別の母子。母鹿が子鹿の毛づくろいをしてやっていた。
c0073633_2312342.jpg
おん祭の準備も始まっている。

11月中抱えていた歌の原稿にも目処がつき、上京前後のばたばたも落ち着き、ようやく人心地を取り戻す。ナラヒネ補給完了であります。
by konohana-bunko | 2009-12-02 23:01 | 日乗 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
プロフィールを見る
画像一覧