読書の記録 霜月

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『天上の花 ―三好達治抄―』  萩原葉子  新潮社
『オトーさんという男』  益田ミリ  光文社
『こつまなんきん』  今東光  角川文庫
『支那童話集 日本児童文庫13』  佐藤春夫  ARS
『おおきなおおきなおいも』  赤羽末吉さく・え  福音館書店
『ふたり』(絵本)  瀬川康男  冨山房
『紙絵と詩 智恵子抄』  伊藤信吉・北川太一・高村規 共編  現代教養文庫528
「大阪人」vol.63 2009.3  特集・続々古本愛  大阪市都市工学情報センター

『天上の花』を粗くまとめてしまうと、ひとりの詩人が、ひとめぼれして執着しつづけた女性に、その作品も人柄もまったく愛されなかったことから起こる悲劇、ということになるだろうか。もっと乱暴に言ってしまえば児童虐待とDVの話である。まあ、「虐待」や「ハラスメント」なんてつい最近普及した概念で、この小説に当てはめるのはどうかとも思うけれど。

『こつまなんきん』はブック・ダイバーさんにて。今東光を読んだのははじめて。主人公お市の向かうところ敵なしっぷりが気持ちいい。現世利益に血眼の河内男というのはいつでもそこいらにいそうで、そこのところも面白かった。

写真は大阪、五條宮。姿のいい木。
Commented by うんぽ at 2009-12-03 23:44 x
天上の花
つまり感心されなかったわけですね。
私は切ない物語だと感動したので、その差が面白く思います。
彼は彼女の中に、この世にない美を見ていたのでしょう。でもそれは幻想で、彼女は生身の人間でしかない。詩を書いても、叩いても、どんなに苦しんでも手に入らない花。そんな夢の標的にされるほど、迷惑なことはない。欲しいオモチャを前に、地団駄踏んで、暴れている子供。あるいはしつこいストーカー。
でも、この世にない花を求めているものが私の中にもたぶんあって・・・。
Commented by konohana-bunko at 2009-12-04 21:23
うんぽさま 人間の本当の姿、みたいなものが克明に描かれていて、それが胸にぎりぎりと響いて苦しかったのです。好き嫌いで言えば嫌いかもしれないけれど、読んだことは忘れないと思います。
by konohana-bunko | 2009-12-03 12:54 | 読書雑感 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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