曲折  十谷あとり

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古寺の受付に並ぶ計算機、縁起、花抱く陶器のをとめ

冬晴れの底なき空を映しつつ蓮池の水明浄にあり

破れはちす揺るるからからたれもみなかつて羽衣持ちてをりしを

空に折れはた水に伏す破れ蓮の冬の曲折愉しからずや

蓮の根のただむき甘く枕(ま)きしめて冬を眠らす 泥はやさしも

黒大豆笊に干されてほのぬくし右伊勢左奈らの道の端

高ぞらに飛行機雲のかかる間を柿の実ひとつ剥かれゆくなり

  「歌壇」2010年2月号より

by konohana-bunko | 2010-01-16 21:42 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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