『俳句・イン・ドローイング』  ふらんす堂

c0073633_16233949.jpg
俳句のアンソロジー。見開き2ページに1作家、7句ほどの作品と、モノクロのイラストが組み合わされている。絵に負けないようにするためか、文字がごつい。太字だったりゴチックだったりする。最初はそれがちょっと読みづらかったが、しばらくすると慣れてきた。慣れてくると、絵本を読んでいるみたいに面白くなってきた。俳句だから絵と同居してもちょうどいい感じになるのかも。短歌だったら、どうかなぁ。単純に考えて、字が多いから絵の場所が狭くなるだろうし、互いの力加減が難しそう。
以下、好きな句を引用。

鶏抱けば少し飛べるか夜の崖  安井浩司

草と水踏み分けて鹿美しき  糸大八

日本海らくだあゆませなみだあゆませ  豊口陽子

南瓜あり瓜のむかしを見つづけて  今坂柳二

冬雲や拳を額に泣く女  沢好摩

少年に花の耳鳴りちぎれ雲  森田雄

満月や身の丈のガラスがしなふ

地獄極楽超光速の一人乗り

人間は海の回りに穴を掘り  内藤晴久

夕立やなんせ命はここにある  矢上新八

座敷童子の
耳が
林檎の花なり
月夜        林桂

かんぶくろ・猫・ふんぢやんの・ちよこれえと  木村聡雄

さわがしき冥土は紙の力士たち  上田玄

かすかかすか木を伐るひびきのどぶえに

ピーマンのゆがみに姉の掌の恍惚  江里昭彦

月天心何をなすにも縄はなし  高澤晶子

彗星の近づく空や古帽子  仁平勝

大根のつぎつぎ抜かれゆく浄土  大関靖博
c0073633_16245411.jpg
「夜桜機関」(よざくらからくり)  藤原月彦
(↑画像をクリックしてご覧下さい)

猫の恋そしてロシアンルーレット  山崎十死生

草取の腰の袋の宝物  田中裕明

美貌涼しや空蝉さらに蝉を脱ぎ  三浦敏郎

スプーンの底に天窓秋深し  今泉康弘

霜月の紐のてふてふ結びかな  鈴木伸一

またたけばまたたきかへす星あそび  河内邦雄

蓬摘み摘み了えどきがわからない  池田澄子

春宵のつくづくたたみいわしの目

じゃんけんで負けて螢に生まれたの
Commented by 敬一 at 2010-03-13 09:16 x
これはおもしろそうですね。探してみよう。
Commented by konohana-bunko at 2010-03-13 21:29
はい、ぜひ。楽しい本でしたよ。
by konohana-bunko | 2010-03-11 22:14 | 読書雑感 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
プロフィールを見る
画像一覧