雲について知っていること

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雲について知っていること  十谷あとり

中学生の夏、犬を連れて歩いた。
まっすぐの道の向こうに入道雲が見えた。
道ばたの草の匂いを嗅ごうと犬が立ち止まっている間にも
入道雲は大きくなった。
電信柱をものさしに測ると
電信柱の丈の半分は伸びた。
世界を変えるいきおいで雲はふくらんだ。
わたしは雲にみとれていた。
犬は電信柱に
おしっこをした。
by konohana-bunko | 2010-08-19 00:25 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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