橋本喜典歌集 『無冠』

gogejavalさんのblogで、橋本喜典さんの短歌と出会った。

今われは悲しかれども幼ならのまつはりつけばまつらはせけり  橋本喜典

傷もたぬ魂などのあるまじく大樹は深き翳を抱けり

もっと読んでみたくなったので、思い切って歌集を買ってみた。(『無冠』/1994年不識書院刊。)

ひしひしと花咲き満てる樹の下に涙ながしている犬に遭う  橋本喜典 『無冠』

いぬのふぐり・菫・たんぽぽ地に低き花は最も神を仰がむ

残りもの朝夕(あさよ)に食べて今日のもの残せる妻をつくづくと見る

平明で、いい歌。橋本喜典さんの歌と出会えて、よかった。gogejavalさん、ありがとうございます。
思い遣り
by konohana-bunko | 2005-04-15 20:25 | 空中底辺

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり