『あむばるわりあ 旅人かへらず』  西脇順三郎

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『あむばるわりあ 旅人かへらず』 西脇順三郎 現代日本名詩選 筑摩書房より、以下引用。

旅人かへらず

五二

炎天に花咲く
さるすべり
裸の幹
まがり傾く心
紅の髪差(かみざし)
行く路の
くらがりに迷ふ
旅の笠の中



五五

くもの巣のはる藪をのぞく

五六

楢の木の青いどんぐりの淋しさ
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七六

木のぼりして
ベースボールが見られた時代は
よかつたな――

七七

むさし野を行く旅者よ
青いくるみのなる國を
知らないか

***

過日、夫の母を見送った。
淋しい。
by konohana-bunko | 2010-08-24 20:20 | 読書雑感 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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