五体投地

c0073633_932315.jpg
13日(日)、東大寺へ。かばん関西の吟行会。よいお天気でコートが要らない。二月堂まで歩く。途中、久し振りに鹿せんべいを鹿にやる。せんべいの紙帯をほどこうともたもたしていたら鹿に前脚でパンチされる。
c0073633_9332295.jpg
昼過ぎ、修二会が行われている二月堂に到着。参詣の人多し。お堂の中から声明が聞こえてくる。若々しい、うつくしい声。
格子の奥には白い布が垂らしてある。その布越しに炎の色だけが透けて見える。
布の端をふわっとめくって、中からお坊さんがひとり出ていらした。格子のそばに歩みより、木沓のような履きものを脱ぐ。こちらに背を向け、合掌していたと思ったら、ふっとその姿が見えなくなり、
だんッ
という大きな音がした。音がしたと思ったらお坊さんはもう立っている。すぐまた、だんッ、と床が鳴る。背骨がびりっとするような、硬い響き。(あっ)と思った。目の前で、五体投地が行われているのだった。
音のテンポは、想像していたよりずっと早い。賽銭箱ごし、遠巻きにみているわたしからは見えないが、五体板というものを床に敷いて、膝を叩きつけるように身体を打ち付けているという。
ここへは何度も来ているけれど、五体投地をみたのははじめて。お参りの人たちも、おしゃべりをやめ、息をひそめて見守っていた。音がやんでお坊さんが中へ戻って行かれると、ざわざわと人の話し声が戻ってきた。
c0073633_934717.jpg
二月堂下のお台所。右側にも大きなおくどさんがあって、ぼうぼう火が焚かれていた。
c0073633_934411.jpg
残ったご飯は鳥に。

風の鳥光の鳥をてのひらに隠して佇てばひともとの梅  あとり

2010年の様子は→こちら
2008年は→こちら
2006年は→こちら
by konohana-bunko | 2011-03-17 22:10 | 日乗 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
プロフィールを見る
画像一覧