曇りの日は、傘をひきずって歩いた。傘の柄を通して、地面の凸凹の振動を感じるために。雨の日は傘を開いて、こわれた雨樋の下に立ち止まった。じゃばじゃば落ちてくる水塊と、力比べをするために。そして雨がやんだら、閉じた傘で水たまりの深さを測った。傘はこわれやすい、てのひらの延長だった。
by konohana-bunko | 2011-06-09 10:23 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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