ペンキ

母がペンキ塗りを始めた。外国映画の家みたいに、室内を白で統一したいと言い出して。壁を塗り戸棚を塗り、勢いを駆って椅子も塗った。そして嫁入り道具の鏡台も塗ってしまった。抽斗を飾る、鎌倉彫の牡丹の柄も真っ白になった。数日後、母は焦げ茶のペンキを買ってきて、鏡台だけは茶色に塗り直した。
by konohana-bunko | 2011-06-18 16:51 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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