水滴

雨の日。駅に着き傘を閉じる。濡れた傘を、水滴ごとくるくる丸めて帯で止める。傘についた自分の町の雨を連れて、電車に乗る。快速急行は峠を越え、橋を渡り、街へ出る。わたしと一緒に電車を降りたら、次に水滴が見るものは、ビルと並木の合間の細長い曇天だ。わたしが傘を忘れさえしなければ、だが。
Commented by やまんね at 2011-08-09 11:18 x
雨の日にこの水玉を、わたしの傘のわたしの水玉を思い出すでしょう。
Commented by konohana-bunko at 2011-08-09 19:13
降って、流れて、蒸発して、自由に旅をしているかもしれませんね。
by konohana-bunko | 2011-07-31 14:23 | 空中底辺 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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