台風

強い風雨が庭木を揉み、不意に止み、また降りだす。台風からちぎれた雨雲の塊が、この街の上を次々と通過してゆくのだ。窓を開けると、湿気と音が室内になだれ込む。風のうなりに混じって蝉の声が。救急車のサイレンも。どこか遠いところで、相思鳥も囀っている。なすすべもなく、私は耳を開いている。
by konohana-bunko | 2011-09-04 20:44 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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