皆既月蝕

皆既月蝕を心待ちにしていた夜、雨。見えない月蝕を頭の中の画用紙に描いてみる。手袋をして夜の道に立つ私の頭上に、ビニール傘、雨粒、雲、ぐっと端折って紅い月。翌早朝、雨は止んでいた。明け初める西の空に月はあった。大きな月の、蝕で浄められたひかりが、二上山の北へ沈んでゆくのを見送った。
by konohana-bunko | 2011-12-11 21:03 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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