行き止まり

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近道をしようと、来たことのない道を選んだのだった。未舗装の道。堤防の上を通る、馬の背のような道。右手に川、左手に冬田を見つつ、曲がりくねった道を自転車で行くと、線路に突き当たってしまった。柵も踏切もない単線の線路。自転車を降り、線路の向こうに渡れるかどうか見てみたら、あちら側は急斜面で、竹藪に向かって崖のように落ち込んでいた。(何や、行き止まりなんや)と思った途端に、コートの内側でどっと汗が出た。大きく息をついて仰ぐと、青い空のどこかから、鳥の声が聞こえて来た。息継ぎなしに囀るあれは、雲雀のなつかしい声。春だ。遠景の澱粉工場が、今日も水蒸気をあげている。
by konohana-bunko | 2012-02-29 18:46 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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