脱ぎ捨てる

三月の雨の朝。冷たいが、寒くない。猫がぶるっと身震いすると、抜け毛が床にふわりと散る。駅へ向かう道の途中、昨日と同じ場所に手袋の片方が落ちている。次の角には昨日はなかった耳当てが落ちている。そして改札口に靴の片方が落ちている。みんな何か脱ぎ捨てたがっているのだろうか。春の気配に。
by konohana-bunko | 2012-03-05 18:59 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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