読書の記録 卯月

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『「ただの人」の人生』 関川夏央 文藝春秋
『ねこのホレイショ』(絵本) エリナー・クライマー文 ロバート・クァッケンブッシュ絵 阿部公子訳 こぐま社
『随想集 甦る記憶』 串田孫一 牧羊社
『おじさんはなぜ時代小説が好きか』 関川夏央 集英社文庫
『神との対話 宇宙をみつける 自分をみつける』 ニール・ドナルド・ウォルシュ著 吉田利子訳 サンマーク出版
『阿部一族・雁・高瀬舟』 森鷗外 旺文社文庫
「ku:nel クウネル」vol.19 2006.5.1 花も見ごろ。 マガジンハウス
「sanpo magazine」第5号 大散歩通信社
『言の森』(詩集) 西尾勝彦 ブックロア
『100万回生きたねこ』 佐野洋子 講談社
『ピーターの口笛』 エズラ=ジャック=キーツさく きじまはじめやく 偕成社
『どろにんげん』 長新太 福音館書店
『さるかに』 松谷みよ子文 滝平二郎絵 岩崎書店

『どろにんげん』は、「こどものとも」で出た時に息子2号に読み聞かせをした記憶が。2号はあまり読み聞かせが好きではなかったが、この絵本は好きだった。
長新太の絵本で、ずっと探しているのが『たこのバス』。念じていればいつか出会えるものと。

西川さん、sanpo magazineありがとうございます!
西尾さん、『言の森』ありがとうございます!
横着な御礼で、ごめんなさい。またあらためて、お手紙で。



『随想集 甦る記憶』より、以下引用。

〈明るい青を空色という。
だがそれで空を描いても仕方がない。
この色で海を描くことが出来る。波も描ける。だが私には波は難し過ぎるので壺を描く。
風の中へころがして置くと、ぼうぼうとなる壺を、今日は極力丁寧に描く。多少いびつではあるが、却ってそれが値打だということにしてそのまま描く。
焼いてみると、思っていたのとは全く違った色の壺が出来てしまった。陶工は独り憤然としてそれを捨てる。壺はころがって行く。川に落ちて流れ、人に拾われ、暫く何かに使われ、また捨てられてころがっている壺である。
この先の壺の運命を勝手に空想していると玄関の扉を叩く者がいる。速達の郵便を届けてくれた。見れば明日が最終日の陶芸展の知らせである。
私は行って見ようと思う。そこには特別出品として、拾われて来た空色の壺が陳列されているに違いない。〉(p138-139「色鉛筆」より)

梶井基次郎の「城のある町にて」にこんな感じの文章があったな……と思った。(「私はお前にこんなものをやろうと思う。」で始まるくだり。こういうの、好きだ。
by konohana-bunko | 2012-05-01 18:52 | 読書雑感

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり