花水木

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五月一日、晴、風強し。満開の花水木が白い波をなして揺れている。擬宝珠のような蕾から四弁の苞が広がるまでの精しい経緯を、一度悉に見届けたいと思いながら、今年もまた、見逃してしまった。大きく開いた苞も、包みかけの風呂敷のように四隅がくっついたままの苞も、軽く明るく、風に揉まれている。
by konohana-bunko | 2012-05-01 19:04 | 空中底辺

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり