夜に耳を

八時頃一旦止み、十時過ぎにまた吹き始める。初夏の夜風。海のない盆地にも、海陸風のような風の循環があるのだろうか。カーテンが大きく膨らむたび、湿った緑の匂いが床を伝い、室内を流れる。裏の畑で鳧がひとしきり騒ぐ、鷺が、ぎゃ、と一声鳴く。窓を開けたまま、夜に耳を開いて眠る季節になった。
by konohana-bunko | 2012-06-03 20:07 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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