ふゆのとり

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ふるくなったみかんをわぎりにしてにわきのえだにひっかける ヒヨドリがくる たべにくる うまそうにくう とりはてをつかって みかんをおさえることができない だからつつかれてみかんはおちたりする みかんはあおむけにおちた メジロがようじんしいしい じめんにおりて あゆみより みかんをつついてはくびをかしげ みかんをつついては あしぶみをする

あすはわりばしで みかんをえだにこていしよう

てんきだといいな



モズはこまかくしたうちをしながらくる ヒヨドリをけちらしながらくる すごいけんまくで むねをはる あぶないで!あぶないで!と いったいだれにむかって だれでもない モズ おまえがいちばんあぶない
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写真は、シメ(鴲)。シメは蜜柑を食べなかった。文鳥みたいな太い嘴で、花水木の実を割って、種だけ食べる。シメが実を割るたびに、ぱち、ぱち、と、植木鋏を使っているような音がした。
by konohana-bunko | 2013-01-08 13:28 | 日乗

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり