まだ春になってはいけない

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夜、雨が降った。妙に暖かく、土の匂いのする雨。むわむわと皮膚の表面が膨らみ、身体と外界との境界線が曖昧になりそうになる。まだ春になってはいけない。暦に記された立春の文字と、盆地を覆う冬の空気、これらの懸隔をもう少し味わってからでなくては。窓を開けると鵯が飛び去った。蠟梅が匂った。
by konohana-bunko | 2013-02-02 11:25 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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