影絵

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朝になって雨が止んだ。空一面の雲、もしくは雲いちめんの空。空気は白く湿って冷たい。芽吹きはじめた花水木に来ては飛び去る雀も、電線に止まってひとり脹れている山鳩も、二階の陸屋根の角に陣取った磯鵯も、みんな真昼の影絵になってしまった。鳥たちの声だけが、鮮やかな色を帯びて聞こえてくる。
by konohana-bunko | 2013-03-29 17:39 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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