山鳩

歯医者の椅子に座ると、窓の外は庭。
庭木のモチノキの下枝に山鳩が止まっているのが見えた。
これを仮に山鳩Aとする。
そこへ、小さな枯れ枝をくわえたもう一羽、山鳩Bが飛んで来た。
Aに近づき、嘴に枝を渡し、飛び立つ。
受け取ったAは、自分の足許にその枝を押し込み始めた。
巣を作ろうとしているのか。しかし、すぐ、ぽろりと落としてしまった。
Aは何事もなかったかのようにまたうずくまって羽繕いを始めた。
Bはどこへ行ったのか。
Bが戻る前に治療が始まったのであとは知らない。

by konohana-bunko | 2014-05-10 18:11 | 日乗 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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