こっちのケールは苦いぞ

ケールを作ってみたいと家の人がいう。
種を買いに行くと、種仙人さまが
「キャベツのご先祖様やで」と売ってくれた。
アブラナ科共通、つぶつぶと丸い種である。
プランターに播くと、簡単に芽を出し、本葉数枚のひょろっとした苗になる。キャベツやブロッコリーのセル苗にそっくり。
間引いたものに、バナナと牛乳と加え、ジュースにして飲む。こくがあって美味しい。
(苦味はない。もっと大きくしたら苦いのかもしれない。)
お腹の調子がよくなる、と、おおいに気を良くして毎日飲んでいたらケールが追いつかなくなってしまった。
10本ほど苗が残ったところで収穫を休止、急ぎ第二弾・第三弾の種まきをした。

以来、毎日が芋虫とのケール争奪戦である。
毎朝、葉を一枚一枚裏返して、小さな虫の卵を指でこすり落とし、芋虫を指ではじきとばす。
毎夕、葉を一枚一枚裏返して、以下繰り返す。
モンシロチョウに「こっちのケールは苦いぞ」と言うてやりたい。
by konohana-bunko | 2014-06-10 18:34 | green days

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり