石になったら楽かもと思っていたら石になっていた。息をするのが楽なような、大して変わらないような。傷つけられる痛みは感じなくなったが、感覚が麻痺しただけで、相変わらず削ったり削られたりしているのだ、きっと。もっと磨り減ってしまいたい。誰にも気づかれないくらいなめらかに、やわらかく。
by konohana-bunko | 2014-10-08 20:28 | 空中底辺

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり