難波津の月

何を書こうにもことばが出ない時期というものが
どうしようもなくある。
わたしはしじゅう立ち止まってぼんやりしているが
わたしの人生は立ち止まってくれない。
信号が変わったら、文句を言わずに歩くのだ。
青が点滅しだしたら早足になるのだ。

難波津の空に月を見ている。
by konohana-bunko | 2015-09-28 20:13 | 日乗

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり