大阪港の夕日

海を見たいと思い
地下鉄に乗って大阪港に行った。
天保山から渡船で向こう岸に渡り
着いたその船で戻ってきた。
ただそれだけの休日。
帰り、大阪港駅のホームの西端に立って
薄雲の中に沈んでいく夕日を見ていたら
わたしの真ん前に見知らぬ殿方が無言で割り込み
わたしの視界すべてを塞いで立ちはだかり
取りいだしたるiPhoneに4桁の数字を打ち込み
たかだかと掲げて夕映えの写真を撮り始めた。
これもまた大阪の点景か。

大阪には海があってうれしい。
by konohana-bunko | 2016-02-11 22:06 | 日乗

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり