魔導師

これは息子1号が小学校低学年の頃に作ったもの。当時彼の手には「鋏胼胝」があったのである。

時間が経つのが早い。こどもがとても幼かった時期は、1週間、1ヶ月が長かったが、手のかかる時期が過ぎてしまうと、あっという間に1年が経ってゆく。こどもたちが健やかであることは、何よりもうれしい。

こどもは育つ。わたしは年をとる。年をとるのは悪くない。特に、短歌と出会ってから、年をとるのが楽しみになった。

現在進行形のこどもたちを見ていると、自分のこどもの頃を思い出すこともある。こどもたちが思春期を通ってゆく間、わたしも自分の過去(こしかた)のあれこれを思うのかもしれない。

もし魔法使いが現れて「一日だけ過去に戻してやろう」と言ってくれたとしても、わたしはどこへも帰らない。今、ここにいる。ここが、わたしの場所だ。
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by konohana-bunko | 2005-08-29 19:49 | 日乗

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり