ここにいる人すべてが

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先日、NHKの夕方のニュースを見ていたら、夜景の映像が映った。上空から、アナウンサーが中継をやっているのだ。まずは港のあたり。赤いあやとりの筒みたいなポートタワーが見える。それからヘリがだんだん市街地の方へ寄っていく、と思ったら、ビルとビルの間に白く輝く通りが現れた。あ、ルミナリエ!
カメラがズームしてゆく。街路がだんだん大きくなって、電飾の廻廊の下を歩いている人の姿がはっきり見えてきた。造幣局の通り抜け並みに込んでいるのだと思っていたら、案外、人出が少ない。平日の戎橋くらい。寒いから、空いているのか。それとも、まだ夕方だからこれから混むのか。
光の通りは広場のような場所につながっている。広場もぐるりと電飾の壁で囲まれている。光の壁の中に、たくさんの人がいるのが見える。恋人どうし、友達のグループ、夫婦、親子連れ、大勢の人が思い思いに動いている。電飾を見上げたり、ことばを交し合ったり、カメラを構えたり。
本当は、仕事が大変だったり家族のことで悩んでいたりどこか身体の具合が悪かったり、いろいろあるはずなのに、それでも人はこうして、寒い中わざわざ出て行って光を見上げている。これも、生きているからこそできることのひとつ。そう思うと、一瞬、画面の中の雑踏がひどくあたたかいものに感じられた。

ここにいる人すべてが、しあわせであればいいのに。と、思った。

生きてこの世にある人、すべてが。
by konohana-bunko | 2005-12-23 11:28 | 日乗 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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