『わからなくなってきました』 宮沢章夫

c0073633_23404513.jpg
『わからなくなってきました』 宮沢章夫 新潮文庫(2000)

電車の中で本を読んでいて、笑いをこらえたのは何年ぶりか。中島らも以来かもしれない。中島らもというのはかつてその点で大変危険な書き手だった。電車の中でつい笑ってしまう本と、久し振りに出会えたのがうれしくて、家で読まずに全部電車の中で読んだ。吊革につかまって、にやにやしながら読んだのである。

こまぎれでよさが伝わるとも思えないので、ここだけ引用。

ある日、ふと、やまひを忘れ、
牛の啼く真似をしてみぬ、――
  妻子の留守に。
わからなくなってきました。  (p15「わからなくなってきました」)
by konohana-bunko | 2006-01-21 21:57 | 読書雑感 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
プロフィールを見る
画像一覧