黒い土、白い虫

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アキメネスという花が好きだ。
イワタバコ科、小さい松毬形の球根を植えると、夏に紫系の花を咲かせる。花はちょっと見インパチェンスにも似ているが、アキメネスの葉や茎には毛が生えているので区別できる。日に当てすぎないこと、水を切らさないことだけ気を付ければ、手入れもいらない。楽でかわいい花である。
大きな素焼きの植木鉢に、ピートモスを入れて、球根を植えつけてある。冬になると地上部が枯れる。寒さよけに、植木鉢の縁ぎりぎりまでピートモスを足して、掛け布団のような状態にしておく。すると、5月末くらいにまた芽が出てくる。
筈だった。

今年はアキメネスの植え替えをしよう。昨日、そう考えて、ピートモスを浅く掘ってみた。
球根が見当たらない。違う箇所を掘っても、ない。
思い切って鉢をひっくり返してみた。砂場遊びのプリンよろしく、土の塊がどわんと出た。軽くつき崩すと、ピートモスがそわそわ、わらわら、動き出す。うえっ。何じゃこりゃ。潰れた土のプリンから、出てくる出てくる、丸々と太ったコガネムシの幼虫が!
幼虫は全部で13匹いた。そして、アキメネスの球根はひとつ残らず消えていた。残った土を掌でざーっと平らにならすと、中にいたミミズが「いやんいやん」ともだえた。

虫たちが一冬休みなく働いてくれた結果、わたしは鉢いっぱいの上質な腐葉土を手に入れることが出来た。わたしはそれをスコップで丁寧に集めてバラの根元に敷きつめてやった。
今年のバラの花に、大いに期待しようではないか…!

(T T)
by konohana-bunko | 2006-04-10 18:14 | 日乗 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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