橘曙覧メモ(3)

 野辺に、藁屋(わらや)つくりて、はじめてうつりけるころ、妻の、かかる所のすまひこそいとおそろしけれ、聞きたまへ、雨いみじうなんふる、盗人などのくべき夜のさまなり、などつぶやくをききて

23 春雨の もるにまかせて すむ庵(いほ)は 壁うがたるる おそれげもなし (p34)

 (詞書略)…水汲みに難儀する妻を思いやっての歌。

6 汐(しほ)ならで 朝なゆふなに 汲む水も 辛(から)き世なりと 濡らす袖かな (p29)

○妻を思いやる歌を二首。妻の名は奈於、曙覧より4歳年下。夫婦仲はよかったという。曙覧の歌には長い詞書がついているものが多い。わかりやすく、ユーモアのある文章だ。
by konohana-bunko | 2006-05-05 21:30 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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