『捨てるな、うまいタネ』 藤田雅矢

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カボチャの一生を見届けたことがある。
一生、ということばは植物にはそぐわないかもしれないが、まあ、発芽から開花、結実を経て枯れるところまで、ということだ。
ある朝それは、借り物の畑の畝の端っこに出現した。土から出てきた時「ぽかっ!」と音がしたんじゃないか?と思うくらい立派な、差し渡し10cmほどの双葉だった。蒔いた覚えはないが、コンポストに埋めた生ゴミから生えたのだとすぐ見当はついた。
おろしたての蝶ネクタイよろしく、ぴん横に張った子葉、割り箸みたいに太くてがっちりした軸。ほれぼれするくらい、健やかでたくましい芽だった。見ているだけでうれしくなった。無論、そのヨロコビの中には(よっしゃこれでカボチャgetや!)という取らぬ狸の皮算用も含まれていた。

カボチャはそののち順調に育ち、本葉が出、茎が伸び、梅雨にはうどんこ病になり、夏にはろくに草取りもされず草まむしとなるも、畑の借主のあずかり知らぬ間にどかどかと花をつけ、結局秋までに8個の実をつけた。1粒の種からカボチャが8個、思い出すだにしあわせな家庭菜園のビギナーズ・ラック!

植物栽培がいつもいつもこんなにうまくいくとは限らないけれど、この手の本を読むと今でもわくわくする。

写真は庭のワイルド・ストロベリー。
by konohana-bunko | 2006-05-25 22:07 | 読書雑感 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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