『まあだかい』 内田百閒

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福武文庫。悠南書房にて購入。黒澤明の映画「まあだだよ」原典、と帯にある。「摩阿陀会」について書かれた百閒のエッセイ18編で構成されている。。「摩阿陀会」というのは百閒先生の還暦の年から始まった「先生の誕生日をかつての学生たちが祝う会」兼「先生の通夜の予行演習」。百閒先生も、元学生たちも、何かどうしょうもないけれど、可笑しい。

以下引用。

そもそも今晩のこの会合は、目出度いというのが前提の様でありますが、何が目出度いかと云う事を考えて見まするに、この私が、まだ今以って生きている、云いかえると死んでいないと云う事に在る如くであります。しかし今夕の皆様並びに諸君の中の、特に若い人達を見て見まして、もちろん彼等は生きているからここに出て来て私の生きているのを見たのでありまして、その彼等が生きていると云う事はちっともお目出度くも何ともない。然るに私が生きていればお目出度いと云うのは、どう云う差別でありましょうか。何が何でもお目出度くさえあればお目出度い方がよろしいけれど、諸君が生きているのは普通であって、私が生きているのは変態であって、滑稽であって奇妙であって不思議であって、それがお目出度いと云うのが、つまりこれが今晩のお目出度い所以なのでありましょう。それならそれで、よろしゅう御座います。(p23-24)

お墓に木が植えてあれば、こうしている内にも育つものを。(p145)

引用終わり。実はまだ半分くらいまで読んだところなのだだが、今日5月29日が百鬼園先生の誕生日、すなわち「摩阿陀会」の日ということなので。

写真、庭石菖(にわぜきしょう)の花。
Commented by 黒山羊 at 2006-05-31 20:25 x
百鬼園先生の命日は4月20日で、「木蓮忌」という忌日になってます。
 木 蓮 や 塀 の 外 吹 く 俄 風  百閒

鐡に目覚めた私にとって百鬼園先生は永遠の憧れです。

 機 関 車 を カ マ と 言 い 張 る 木 蓮 忌 黒山羊
Commented by konohana-bunko at 2006-06-03 09:34
お返事遅れました。恥ずかしながら、百閒さんを読み始めたのはつい最近。いやーこんなおもろいのん何でもっと早う読んでへんかったんやろーとひとりで悔しがっています。
Commented by 百閒さんを語るなら at 2006-06-04 00:44 x
わたしをはずしてはいけないよ。そこのきみたち。
・・・といいつつ、本棚から「ノラや」をひさしぶりにひっぱりだしてきました。
ああ~名作なり(号泣)
Commented by ↑ここは名前だった at 2006-06-04 00:45 x
すいません。
きみょんっちでした。
Commented by konohana-bunko at 2006-06-04 13:42
おおっ。きみょんちゃんようこそ!百閒ファンの先輩方がお揃いですね。そうそう、きみょんちゃんのエッセイ「ゼンジー小島」、あれ、すごくよかったよ!きみょんちゃんのblog、リンク張ってもいいかしら。ご都合如何?
Commented by きみょんっち at 2006-06-04 22:22 x
「ゼンジー小島」読んでくれてありがとう。
そしてごめん。私のほうは、勝手にここのリンク張ってます。。。
どうぞよしなに・・・。
by konohana-bunko | 2006-05-29 22:04 | 読書雑感 | Comments(6)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


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