わたしのすきなうた

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生きるに値する愛/死ぬに値する愛

真玉ゆらぎの             尾崎まゆみ

潮の香の青くこぼれて鈴なりのいのちの粒がびつしりとある

人魚ゆらめきの尾鰭へむかふ指しろたへの踝は生(あ)るるや

月の手のさはるひかりに濡れた髪みづ弾くいちまいの結界

官能器あつく地上に人魚姫くるぶしに沁みとほる痛みは

思ふよろこびの一瞬白妙の真玉(またま)ゆらぎの風とふれあふ

愛あれば泡(あぶく)へ還るゆらめきの霊魂(プシケ)翼のあるるひかりに

かくてあのアンデルセンはかなしみの最後の真珠薄氷(うすらひ)に置く

        (北冬+ 2004年春星号 特集 2004年のラブソングより引用)

美しく、哀しく、残酷な世界を、やわらかいけれど、しぶといことばでうたう。歌はひとをうっとりさせるもの、気持ちよくさせるもの。永田先生がいつか、そう言っていた。わたしも、そう思う。
by konohana-bunko | 2006-06-09 20:51 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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