頭のいい「雨の木」(レイン・ツリー)

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20年くらい前、『「雨の木」を聴く女たち』(新潮文庫)を読んだのだがすっかり忘れていた。この間買った『現代伝奇集』の冒頭にこの話が収録されていたので、つい再読してしまった。頭のいい「雨の木」、果てしなく細分化されながら続く(今ならさしづめ「フラクタル」と呼ぶか?)階段と小部屋のイメージ。これらは「生命の樹」の喩なのだろうか。

以下引用。

――「雨の木」(レイン・ツリー)というのは、夜なかに驟雨があると、翌日は昼すぎまでその茂りの全体から滴をしたたらせて、雨を降らせるようだから。他の木はすぐ乾いてしまうのに、指の腹くらいの小さな葉をびっしりとつけているので、その葉に水滴をためこんでいられるのよ。頭がいい木でしょう。

引用終わり。大江健三郎の文章は基本的に「わかりにくい」。わかりにくいにも関わらず、また、決して気持ちのよい話でもないのに、手に取ると読んでしまう。一番好きなのは『洪水はわが魂に及び』。『治療塔』もいい。

画像は「Websites as Graphshttp://www.aharef.info/static/htmlgraph/で画像化したこのはな文庫のblog。サイトのURLを打ち込むと、こんな画像(動画)になって現れる。分子の模型のようでもあり、花のようでもあり、粘菌のようでもあり。フシギだ。
by konohana-bunko | 2006-06-26 22:30 | 読書雑感 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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