深夜の来訪者

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夜、物音で目が覚めた。2年ほど前の冬のこと。かさかさかさ、しゃかしゃかしゃか。巨大なごきぶりが駆けずり回るような、不穏な音。起き出して、台所の電気を点ける。すると、音がぴたりと止んだ。
(虫……?)しかし音もしないし姿も見えない。よくわからないまま、電気を消して布団に戻る。するとすぐ、かさかさ、しゃかしゃか。
ははあ。ちょんぴが生ゴミを荒らしているのだナ。
駄猫ちょんぴは由緒正しき野良猫の子。魚料理の後など、時に台所の生ゴミをあさることがある。食事の時にちゃんと分けてやっても、夜更けにこっそり魚の頭を拾い食いするのはやめられないらしい。
ややこしいもん食べたら、具合が悪くなるし、ゴミを散らかされるのも困るし。「こらっ」と怒ってやるつもりで、再び台所に行って、パチっと電気を点けた。
しゃしゃしゃしゃ!急に明るくなったのに驚き、すごい勢いで冷蔵庫の裏に隠れた奴がいる。
(イタチ?!)
イタチが家の中にいたのだった。
窓を開けて電気を消して、台所の奥で「とん!」と足踏みをしたら、風をくらって外へ逃げていった。

昨夜、猫の唸り声で目が覚めた。目が覚めたのと、猫の喧嘩がクライマックスになるのとが同時。「ふぎゃはぎゃうぎゃ!!」という取っ組み合いの叫び声と、もんどりを打つ鈍い音がが。あわてて起きて、(どこやどこや?!)と探しに行こうとしたら、わたしの目の前を、真っ黒な影がダッシュしていった。
野良猫が家の中に入り込んで、ちょんぴと鉢合わせしたらしい。ちょんぴ、耳たぶを噛まれて軽傷。あーあーもう。朝、明るくなってから、物音がしていた部屋を見たら、じゅうたんが猫の毛だらけになっていた。

夫どの、フランス出張から帰って来た。写真、遠い西の国のたそがれ。
by konohana-bunko | 2006-09-26 22:06 | 猫是好日 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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