養殖マグロとぱっちん止めの女の子
2006年 11月 05日
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店番をしていると、通路をいろんな人が通り過ぎる。ダックスフンドを連れた中年の奥さんが左から、2歳くらいの女の子を連れた若いお母さんが右から。真ん中でばったり、「いやー、来てはったんー」「こんにちはー」と。ご近所のお知り合いらしい。ご挨拶は?と促されて、女の子、恥ずかしそうにお母さんの後ろに隠れる。
奥さんとお母さんは立ち話を始めた。女の子はだんだん緊張がほぐれてきた様子。目の前をちょろちょろしているダックスフンドをじっと目で追っている。お母さんが気付いて、ちょっと背をかがめて、(よしよししてごらん?)とささやく。女の子、手を引っ込めて、ママの足に背中をぎゅーっと押し付けている。それでも、もう、犬のことが気になって気になって、犬以外は何も見えない状態。
そうこうしている間に、立ち話が終わった。それではまた、と挨拶をして、奥さんは右へ、お母さんは左へ。さ、**ちゃん、行こうか。お母さんに抱き上げられた女の子、「あーあ、あー」と犬の方に両手を差し伸べて、そのまま抱っこされて向こうへ行ってしまった。
おかっぱの前髪を、ぱっちん止めで横分けにして。林明子の絵本から抜け出てきたみたいな、女の子だった。