『鳥と語る夢』  串田孫一

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この間奈良公園に行った日のこと。文化会館の前から、登大路を渡って興福寺へ行こうと歩いていたら、地面に雀が五、六羽舞い降りてきて、土をちょんちょんついばみ始めた。はあ、雀やなあ、と見ながら近づいていったら、どうもわずかながら小さい。頬っぺたに黒丸がない。色が赤っぽい。頭が角ばっている。この鳥どっかで見たことあるよな何やったっけ……あーアトリや!!猛然と鞄を開けてカメラを出して写真を撮るも、遠いので床にこぼしたゴマ粒のような絵しか写らず。そうこうするうちにちちちちと飛んで松の木の中へ。アトリを見たのは生まれてはじめて。あまりにもフツウの鳥っぽかったのでちょっと拍子抜けしたが、あとからじわじわうれしくなった。

このスズメ目の冬鳥にちなんで筆名をつけたつもりではいる。「アルプスの少女ハイジ」に出てくるヤギの名前!と教えていただいたこともある。Googleで検索すると同名さんは結構いるようだ。中でも一等の大物はインド神話に出てくる仙人かもしれない。

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『鳥と語る夢』より以下引用。

 列車がホームへ入って来た。みんな慣れてしまっているから澄まして乗っているが、その運転席のある頭だか顔だかのところが、何とも奇妙な形である。速力を出すための機能の計算によって、こんな滑稽な形になったのかも知れないが、急に恥ずかしくなって乗るのがたまらなく厭になった。
 けれども、どうしてもこれに乗って行かないと、その日を約束した用事が片附かない。それで止むを得ずに乗るには乗ったが、そして指定された座席に腰を下ろしはしたが、しばらくの間、恥ずかしくて体から力が抜けなかった。(p171「形」より)

引用終わり。何でもなさそうなことばかり出てくる文章ではあるけれど、こんな風に淡々と書いてみたいものだと思う。

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写真下。近所の梅の木の写真を撮っていたら、メジロが飛んできた。ちゅるちゅる、ちゅるちゅる鳴きながら、枝から枝へ。梅にウグイスならぬ、梅にメジロ。さて鳥はどこにいるでしょう。(望遠レンズ、欲しいかも……。)
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Commented by きみょんっち at 2007-02-03 23:56 x
メジロ、かわいいね。
うちの庭(というほどのスペースはないが)にもよく飛んできます。
阪神大震災の前日、見たことない小鳥がやってきて、生垣にいっぱいひっついてました。そのときはなんとも思わなかったけど、翌日の地震のあとで考えてみると、あれはきっと動物の本能で神戸方面から逃げてきたのではなかろうかと・・・。

これって、メジロは二匹いる??
Commented by konohana-bunko at 2007-02-04 07:47
小さい生き物の方が敏感なんかなあ。人間はアカンね。

あっ。ほんまや!2羽写ってる。(今気ィ付いたんかよ!)もうちょっとわかりやすい写真に変えますね。
Commented by 通りすがり(毎日) at 2007-02-04 09:07 x
梅にうぐいす松に鶴・・・つい先日まで「あれはうぐいす」と思っていたがテレビでやってた。「うぐいすは灰色っぽい色で山の中に居て里へ降りてくることはない。梅にとまっている緑色の小鳥はメジロです。」やて。ジャパニズフラワーカードのうそつき!!
Commented by konohana-bunko at 2007-02-05 21:46
ウグイス、1回だけ見たことがあります。本当に地味で小さい鳥でした。
by konohana-bunko | 2007-02-03 22:06 | 読書雑感 | Comments(4)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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