本を読む人々

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朝の電車。座席に座る。左隣の女性が膝の上に本とノートを広げている。ノートの表紙には、マジックで、「解剖生理学」の文字が。本のページに、3色刷りの細胞の図がある。
右隣はスーツ姿の、年配の男の人。鞄から薄手の雑誌を出して、熱心に読み始めた。表紙を後ろに折り返し、じっと見入っているのは、大きな文字で「年金分割」と見出しのあるページ。
前に立っている若い人は、吊革につかまって、小さい冊子を読んでいる。これはこちらに背表紙が向いているので、何の本かすぐわかった。良品計画の販売マニュアルだ。
わたしは本、ではなく、自分が書いたメモを読み直す。このメモは歌のもと。たくさんメモを書いているようでも、整理すれば2,3首残ればいい方だ。漠然としたイメージのメモを取っている時は、気が大きくなって鉛筆も走るけれど、そのままでは何にもならない。どんどん、捨てて、捨てて、捨てまくる。自分でも何をしているのかわからないくらい。そんな作業の中で、ふと、ことばが定型に納まることがあって、その瞬間だけは、喉をラムネが過ぎるような、ひりひりした気持ちが味わえる。
Commented by つぼ at 2007-04-19 09:29 x
えらいなぁ。それでこそ歌人というべきか。あたしはいつも3ヶ月に13首きっちり。メモもなし。捨てる言葉もなし。日月はあとりさんに任せた。後は暖かく見守りる立場にいます。
今期の歌はないので、責めないで、とよろしくお伝え下さい。
京都は行くつもりでしたけど、いろいろあったので、都合をつけるのを忘れてました。短歌を続けていたら、また参ります。
Commented by konohana-bunko at 2007-04-19 09:42
短歌はつづくよどこまでも、です。うたいつづけてまいりましょう。
by konohana-bunko | 2007-04-17 22:47 | 日乗 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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