『天の腕』  棚木恒寿

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歌集 『天の腕』(てんのかいな)  棚木恒寿(たなき こうじゅ)著 ながらみ書房
著者は「音」所属。

前半の歌(近作)が興味深かった。以下引用。

もう脚をたたんで休むこともせず一羽汚るる朝のひかりに

もしかしてトマトの糖度に比べつつ受け入れたのか君のからだを

水際には死ぬために来し蜂の居てあわれわずかにみだりがわしき

カナブンというたましいの薄きもの九月といえど教室に来る

おもむろに細部を衝きてくる汝に朝轢きし亀の感触を言う

池に入りて死にし人にも死後はあり家庭菜園荒れゆくまでの

たぶんもっとも花より遠い帰りきて靴脱ぐときのだれもがしずか


引用終わり。
付箋を貼っている時は気付かなかったが、こうして打ってみると生と死の歌ばかり選んでいる。ここにうたわれている生死の「死」は、さほどなまなましく迫っては来ない。天気がよければ濃く出る影のような、若い人(著者は1974年生)の健やかさが逆に照射する「死」だからだろうか。
Commented by かねちょも at 2007-04-27 21:02 x
お写真、スーパー素敵な場所ですね。お店ですか?
リンクありがとうございます。光栄です。智林堂さんとちょうちょさんの間とは緊張します。と、スナが申しております。
あ、ものすごくいい猫だ、とも言うておりました(笑)
Commented by konohana-bunko at 2007-04-28 16:05
この写真は、大阪港駅近くの「商船三井築港ビル」で撮りました。建築事務所&ギャラリーだそうです。くわしくはこちらに↓
http://jkgraphis.biz/stem_gallery/index.html
すごくきれいなページでクリックするのもためらわれるような。(^^;)

いやもう、猫馬鹿まるだしで、お恥ずかしい。
by konohana-bunko | 2007-04-24 09:01 | 読書雑感 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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