『スズメ百態面白帳』 大田眞也

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魚も好きだが小さい鳥も好きだ。小さい鳥の中でもスズメは日本一身近な鳥。身近すぎてかえって目立たないけれど、よく見れば結構かわいくもありたくましくもあり、なかなか面白い生き物である。著者は学校の先生をしながら、長年野鳥の観察を続けているフィールドワーカー。

写真を眺めているだけでも、飽きない。スズメの生態図鑑といってもいいくらい、たくさんの写真が収録されている。あんな小さくてじっとしていないものを、よくこんなにうまく撮れるもんだなあ。白いスズメ、黒いスズメ、群れ、番、産卵と子育て、羽づくろいも。
一番衝撃的だったのは、スズメ(幼鳥)を摑んだまま窓ガラスに衝突死したツミ(小型のタカ)の写真。この写真を見て(あ、この本は、売らない)と思った。

以下引用。

現在の家には生まれてこの方六〇年近く住んでいるが、ネコは私が物心ついたときからずっといる。(中略)近所では我が家を猫屋敷などとよんでいるらしい。ネコ好きなのでそんなことは気にならないが、一つだけ困ったことがある。それは庭に来るスズメをはじめ、野鳥を捕ることである。
野鳥のために餌台や水場を設け、出来るだけ自然に近い状態にということで庭木の剪定なども控え目にしているが、そのことがかえってネコにとっても忍び寄るのに都合よくなっている。野鳥を呼び寄せ油断させておいて捕るのだから背信行為もいいところで心が痛い。それに皮肉にも我が家にすみつくネコはどれも野鳥を捕るのが上手で困っている。これまでスズメのほかにもメジロやアオジ・ヤブサメ・シロハラ、それにキジバトの幼鳥などが犠牲になっており、半殺しにしたものを誇らし気にわざわざ見せに来るのにはほとほとまいっている。少しは私の気持ちや立場を考えてくれよと言いたいが、相手がネコではどうしようもない。(p41「困ったネコ」より)

(葦書房/2000年発行)
Commented by sakura-blend at 2007-05-24 20:44
ご無沙汰しております。
我が家の困った猫は、以前森のほとりに住んでいた頃、キツツキ、エゾリス、モモンガなどを生け捕りにして来ました。
自慢げに見せにきたので、誉めたあと、説得して逃がしてやりました。
Commented by konohana-bunko at 2007-05-27 10:43
sakura-blendさま こんにちは。猫さん、モモンガまで捕って来はったんですか。何て俊敏な猫さん。エゾリスとモモンガのいる森のお家っていいですねえ。
by konohana-bunko | 2007-05-23 22:34 | 読書雑感 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


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