なつかしい街

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15日(金)、所用で奈良県文化会館まで。文化会館のロビーを歩いていたら、通りがかりの人に「図書館はここですよね?」と尋ねられる。図書館は新大宮に移転したこと、奈良駅か新大宮の駅からバスが出ていることを説明すると、
「えーっ。それ、いつですのん」とびっくりされていた。図書館が移転して、図書情報館になってから2年近く経つのではないか。

愛着のあった施設が移転したりリニューアルしたりしても、以前の施設のちょっとしたディテールの記憶が残っていて、ふとなつかしく思い出されたりする。例えば奈良県立図書館時代の錆びたスチールの私物入れロッカーだとか、須磨水族館時代の、エントランスの吹き抜けの上に吊るされていたハクジラの骨格だとか……。
そんな古い、更新されることのない記憶が、他のいろんな記憶の断片とごっちゃになって、オリジナルとまったく異なる過去の街を構築してゆく。それはわたしだけが納得する場所で、わたしはそこが大好きだけれど、同時におそろしさを感じることもある。そこに入り込み過ぎたら、もう二度と現在の現実に戻って来ることができないのではないか、という、なつかしさと等しい量の、おそろしさ。

写真、ミラノのカウパレードの牛。
Commented by おやめ at 2007-06-20 23:10 x
その場、その時の記憶が拡がり、二度とその時の其処へ行けない
もどかしさに狂るおしくなります。
でも最近は、前しか見ていないので健康に建設的です。
Commented by konohana-bunko at 2007-06-23 22:21
おやめさま 本当に。たまに振り返るくらいが健康的でいいですね。こどもたちが小さかった頃の写真を見ると、めまいがしそうです。
by konohana-bunko | 2007-06-17 21:52 | 日乗 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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