夭折歌人集

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9月のいつだったか。上本町の天地さんの均一台を眺めていたら、全集の端本、黒い函の背にある「夭折歌人集」という文字に目が捕まった。正確なタイトルは『現代短歌大系11 新人賞作品 夭折歌人集 現代新鋭集』。
全集本はいろんな意味で重いので、普段はあまり拾わないようにしているのだが、大岡信・塚本邦雄・中井英夫責任編集やし、300円やし、買およ買およ、と頭の中で自分の声がしたので手に持ったままお店に入った。その後店内を一回り、ウォーナーの『日本彫刻史』と合わせて2冊買う。ウォーナーの方は帰りの電車の中で大方読んでしまった。(何せ、1/3は彫刻の写真だったので。)

で、この本は買ったまま数日、本の山の上に放ったらかし。次の休みの日にようやく(そうそう、この本誰だれが載ってんのん)と、目次を開いてみた。
内容は「新人賞入賞作品」「夭折歌人集」「現代新鋭集」3部構成。「新人賞」の部には入賞の石井辰彦、最終候補の岩田憲生を含め26人の名前があがっている。そして残りの2部には、以下の歌人の作品が出ていた。

「夭折歌人集」  中城ふみ子  浜田到  相良宏  岸上大作  小野茂樹  小名木綱夫  杉原一司  杉山隆

「現代新鋭集」  平井弘  清原日出夫  浜田康敬  新城貞夫  村木道彦  福島泰樹  須永朝彦

(「現代短歌の宝石箱や~!」って叫んでもいい?!)と、頭の中で声がする。翌日からずっと、この本ばっかり読んで、ノートに歌を写して、肩凝らして、もうほんま、うれしいてうれしいて。

次のエントリーから、好きな歌を抜き書きしてご紹介します。
by konohana-bunko | 2008-10-09 22:36 | 読書雑感

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり