カテゴリ:空中底辺( 272 )

『ありふれた空』抄

自転車の前と後ろに生まれざる吾子らを載せて花の下ゆく  十谷あとり

摑むのはたやすかれどもぽろぽろと転がりやすき雛あられかな

うみやまの濃きも淡きもひすいなる讃岐の国はわが父の国

リサイクルは煩雑である父を踏み母を十字にくくらねばならぬ

稲の葉のしらしら揺れてその揺れの収まりしのち風わずか吹く

さびしさの匂いがこもらないように髪はいつでも短めに切る

病葉の二つ流れに過ぎ行きてひとつ鯏となりて戻れり

やさしさに似た父の怯惰を思うとき斜めに破れるベルマーク2点

夜干した一枚のシャツ アイロンを掛けても月の匂いがとれず

死ぬ時も生まれる時もひとりだと思えば何とありふれた空
by konohana-bunko | 2005-03-04 09:34 | 空中底辺 | Comments(0)

ありふれた空

歌集『ありふれた空』 十谷あとり  北冬舎 2003初 A ¥2100(新本)

星の数ほどある本の中に、自費出版で数百部単位で作られる歌集という本がある。その歌集の中の、 一冊。この本は大気圏に突入して地表に届く前に燃え尽きる宇宙ゴミに似ているかもしれない。Amazonやe-BOOK OFFの検索でヒットした画面を見るたび、(この本てほんまに存在するんや…)と不思議な気持ちになると同時に、この本がもたらしてくれたさまざまな学びを思わずにはいられない。、『ありふれた空』と出会えたことが、わたしにはうれしい。このはな文庫・十谷あとりが、著者です。在庫、あります。

「何ちゅうタイトル付けよんねんと思た」と笑いながら言って下さったのは塚本靑史氏。供手。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486073016X/mixi02-22/249-9244394-4920348
by konohana-bunko | 2005-03-03 11:30 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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