カテゴリ:空中底辺( 272 )

bird of paradise

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16世紀、初めてフウチョウ科の鳥の標本を見たヨーロッパの人は、交易用にその脚が切り落とされていたとも知らず、この鳥は一生枝に止まらず、風に乗って飛び続ける天国の鳥だと考え、bird of paradise と名づけた――。この話を読む度、無知から生じた誤解をこれ程美しく粉飾してしまう人の頭の働きについて考え込んでしまう。(目の前のものをよく見よ!)と言ってしまうのは容易いが、ちょっときれいなものを見せられたら、いとも簡単に荒唐無稽な伝説を信じてしまいかねない部分が、21世紀に生きる自分の中にもありそうで、危ういと思う。この危うさからは目を反らしたくない。

写真、なんばパークスにて。
by konohana-bunko | 2013-06-10 20:19 | 空中底辺 | Comments(0)

ねえねえ!

幼い男児がウサギやネコといった動物柄の長靴の前に立ち、「ねえねえ!ねえねえ!」と連呼しているところに遭遇する。(この人は動物をなべて「ねえねえ」と呼ぶのだな)と見ていたら、年子と思しきお姉ちゃんが現れ「ねえねえ!」の呼びかけに「はぁいぃ」。なるほど、お姉ちゃんに見せたかったのか。
by konohana-bunko | 2013-05-29 20:15 | 空中底辺 | Comments(0)

メロンパン

父ははじめて出会う他者として幼い私の目の前に現れた。外界から家という私の小宇宙に侵入しまた気まぐれに出て行く者。偶に話しかけられる内容は短い批評のようで、その意味を読み解くには私は幼すぎ、屡々混乱した。そういう意味であまり父親らしくはなかった。父親の演じ方を知らなかったのだろう。
何が言いたいのかというと、例えばメロンパンの食べ方。私がメロンパンを食べていると、父は必ず「豚みたいな食い方やな」と鼻で笑うのである。その度私は鼻白む思いがし、ではどう食べればよいのかと父の顔を見上げるのだが、父は笑うだけで何も教えてくれなかった――と、こういった些細な話である。
ロンパンを見ると時にこのことを思い出す。当時の父の齢を超え、私はいまだにメロンパンの正しい食べ方を知らない。しかしそれで困ったことも一度もなかった。私を事ある毎に豚になぞらえてからかう人も誰もいなくなった。私は食べたい時に好きなだけ心置きなくメロンパンを食べられるようになった。
by konohana-bunko | 2013-05-24 20:11 | 空中底辺 | Comments(0)

真向法

身体が硬くてよく首や腰を痛めるので、古本屋さんで買った真向法の本を見ながら体操を試している。四つの型のどれ一つとしてまともにできない。しかしストレッチ効果はありそうだ。特に第四体操を行うと膝まわりが爽やかになってよろしい。ここから先は年を取るほど元気になりたいと思う。切実な願い。
by konohana-bunko | 2013-05-14 20:49 | 空中底辺 | Comments(0)

はよ帰りっ

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深夜。ベランダに出た猫が一向に戻って来ないのでつっかけを履いて迎えに行き「いつまで外に居んねんな!もう遅いのに。はよ帰りっ」と叱りつけたら、うちの庭の前に屯して大声で喋っていた地元のミニバイク少年たちが俄にこそこそとバイクを押して退散してしまった。いやいや君らに言うたつもりでは。



写真、夜、落ち着いて本でも読もうと机に向かえばこのような有様に。
by konohana-bunko | 2013-05-14 16:06 | 空中底辺 | Comments(0)

ハーゲンダッツ クリーミーミント

偶の贅沢ハーゲンダッツ、クリーミーミントを食す。蓋を開けた段階でミントのいい香り。さっぱりした甘さのミルク風味と終始訴え続けるミント。この味何だか身に覚えがあるよね、と夫と顔を見合わす。子供の頃、寝る前の歯磨きを済ませた後、親の目を盗んでこっそり食べたバニラアイスの味だなこれは!
by konohana-bunko | 2013-04-27 21:11 | 空中底辺 | Comments(0)

『奇跡の人』

ウィリアム・ギブソン『奇跡の人』を読む。ジャケットの井戸のポンプの絵と原題「THE MIRACLE WORKER」の文字を眺めていて、はっと気づいた。奇跡の人とはアン・サリヴァンのことだったのか。今の今まで、ヘレン・ケラーのこととばかり思い込んでいた。今頃でも、気づいてよかった。
by konohana-bunko | 2013-04-26 21:10 | 空中底辺 | Comments(0)

羊の話

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街中で飼われている羊の話をテレビで観る。羊は法面の雑草対策にと連れて来られたという。放牧すると期待通り毎日草を食べ、やがて近隣の人達やこどもたちに可愛がられるようになった。そして、その羊の姿見たさに、近くの病院で臥せっていた人が、自ら起き上がり座って窓外を眺めるようになった、と。
by konohana-bunko | 2013-04-19 21:04 | 空中底辺 | Comments(0)

イソヒヨドリ

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朝、窓を開けるとイソヒヨドリの声が聞こえる。十年前は富雄駅近くでしか見なかったのに、この春は大和八木駅周辺で毎日のように見る。アンテナの上で囀ったり、芝生を歩いたりする青い鳥の姿を身近に見られるのは嬉しいけれど、これまでの棲息地の環境が悪くなったのではないかと気になったりもする。
by konohana-bunko | 2013-04-16 21:01 | 空中底辺 | Comments(0)

運の強い男

バナナの皮を踏んで滑ってコケたことはないが、かつて通学路の溝蓋の上を歩いていて、蓋の途切れ目から溝に落ちたことのある息子1号。昨夜は自転車で画鋲を踏んでものの見事にタイヤをパンクさせて帰宅。それやこれやに関係があるのかどうかは不明ながら、この彼、わが家で一番くじ運の強い男である。
by konohana-bunko | 2013-04-08 20:59 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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