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読書の記録 如月

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『“手”をめぐる四百字 文字は人なり、手は人生なり』  季刊「銀花」編集部編
『鳥と語る夢』  串田孫一
『エミリー・ザ・ストレンジ』  コズミック・デブリ作 宇多田ヒカル訳
『attention No.1 2007新春』  real arena
『魚釣り、三輪車、でんぐり返し 子供たちが教えてくれたこと』  マーク・ペアレント
『小鳥はなぜ歌うのか』  小西正一
『さおり トニーの冒険紀行 ハワイで大の字』 小栗左多里
『まだ見ぬ書き手へ』  丸山健二
『戸塚閑吟集』(歌集)  岡部桂一郎
『ただごと歌の系譜』  奥村晃作
『この国のかたち 六』  司馬遼太郎
『おじいさんの思い出』  トルーマン・カポーティ 村上春樹訳 山本容子銅版画

正選『まだ見ぬ書き手へ』、逆選ならぬ落選『おじいさんの思い出』。

以下、『この国のかたち 六』の、「街の恩」より引用。

私にとってそのころ(引用者註:昭和22年頃から28年頃までのこと)の京都は、焼けていない――つまりは文化が継続している――ということで、誇張ではなく、宝石のようにかがやいていた。大阪から六年間かよったが、毎日、京都駅に降りたつと、旅行者のような新鮮さで、駅前の建物や停留所や市電の景色を見た。言いかえれば、それほど、大阪という焼跡のまちは殺風景だった。(p154)

大阪から京都へは、冬は国鉄を利用し、春は京阪に乗り、秋は阪急に乗った。菜の花のころは、奈良の西大寺駅までゆき、当時奈良電とよばれていた電車に乗り換えて京都へ行った。物のない時代だったが、電車だけは活潑にうごいていた。たいていの運転士は、復員者だった。(p155-156)

ああ、菜の花。
by konohana-bunko | 2007-02-28 21:41 | 読書雑感 | Comments(0)

智林堂さんに行きました

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24日(土)、歌会の前に、もちいどの商店街にある智林堂書店に行く。あまり時間がなかったので、詩歌の棚を駆け足で拝見。葛原妙子自選歌集『雁之食』を発見!うれしい。家に持って帰ってぱらぱらめくっていたら、スーパーのレシートが挟まっていた。裏面に謎の文字が。(しかも達筆。)妙子さんの歌集はやはりミステリアス。
智林堂さん、前に寄せてもらった時よりも本が増えていた。まだまだ、もっと充実しそうな予感。またゆっくりとお伺いします。
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by konohana-bunko | 2007-02-26 22:31 | 古本屋さん開業記 | Comments(5)

ハメルンのむすめたち

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24日(土)、かばん関西歌会のため奈良へ。平年並みに寒い。風は強かったが、暖かかったここ数日に比べ、うそのようにアレルギーが納まっている。どうも、スギ花粉だけではなく、何か他のものにも反応している気がする。黄砂か?
歌会は4名で和やかに。36首を読み合う、歌漬けの4時間。みんな、回を重ねるごとに、どんどん詠む力がついてきて、すごい。ここに来ると、〈歌に対する「期待」〉とか、〈何かしらを歌に表現してみたいと思う「欲」〉みたいなものを、いまはじめて感じたもののように思い出すのだ。時には批評から脱線して、やくたいもないことをしゃべりちらしたりもするけれど……(スミマセン!)お菓子もたくさんいただいて、うれしかったです。ありがとうございました。
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歌会で会議室を借りた文化会館のホールで、アマチュアオーケストラフェスティバルのリハーサルをやっていた。道理で、駅前で楽器のケースを抱えた人をたくさん見かけたわけだ。写真は大和西大寺駅にて。左のお嬢さん、眼鏡のフレームとバッグの色がお揃い。ハメルンのむすめたち、と仮に名付ける。
by konohana-bunko | 2007-02-24 22:57 | 日乗 | Comments(2)

風力2帽子をよぎる蝶のかげ

20日(火)、天気がよいので買い物ついでにご近所歩き。
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お琴の教室。でも音を聞いたことはないので、今はやっていないのかも。
そう言えば奈良町に一軒、古い町家で、いつもチェロの音が聞こえる家があったなあ。
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野良猫のカップル。らぶらぶ。
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梅の花、いぬふぐり、スギ花粉、えーっくしゅい。
by konohana-bunko | 2007-02-22 21:38 | 日乗 | Comments(0)

お母~ン!

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はらへった~。
by konohana-bunko | 2007-02-20 22:42 | 猫是好日 | Comments(3)

『まだ見ぬ書き手へ』  丸山健二

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帯に「非文壇的アジテーション」とあるように、「です・ます」で呼びかけるように書かれている。呼びかけるように、と言えばやさしい印象だが、内容は結構アツい。目に付くままに引用してみる。

・才能とは、広く世間で言われているように、普通の人よりも何か特別な力を持ち合わせているということではありません。むしろその反対で、普通の人が持っている能力をひとつかふたつ持ていないことなのです。それも、少しは持っているというような中途半端な形ではなく、見事に欠落しているということなのです。(p23)

・感性を太くするのは自立の精神に裏打ちされた前向きの姿勢から得た、奮闘の日々であり、あがきの体験です。そして感性を鋭くするのは、おぞましい浮き世の泥を進んでかぶる好奇心です。美しい絵画や、素晴しい文学や、人品卑しからぬ人物との出会いだけが感性を磨くのではありません。対象は何でもかまわないのです。美とは正反対に位置するものでもいいのです。芸術家たちが無視しているもののなかにこそ、それは満ち満ちているのです。(p60)

・切磋琢磨とはべたべたした付き合いのなかから生まれてくるものではないのです。あなたは人とではなく、作品とだけ付き合えばそれでいいのです。(p124)

・あなたはまだ、あなたの文学のほんの入り口に立ったに過ぎないのです。あなたの脳から、この先一体どんな作品が飛び出してくるのか、誰にも予測できません。もちろんあなた自身にも見当さえつかないでしょう。五年後には、十年後には、あなたの作品は現在あなたが限界と信じている線をあっさり越えているかもしれないのです。そのことひとつとっても、長生きする価値があるのです。そのための健康なのです。(p151)

・私たちに本当に必要なのは、体験の伴った知識なのです。あなたの五感や六感が捉えた生々しい情報なのです。(p165-166)

・自分は本当に書くに値するものを持っているのだろうか、などという評論家好みの自問を発してはいけません。あなたのような書き手は、そんなくだらないことで悩む必要はないのです。あなたがペンを握ると同時に書いてしまうことが、あなたにとって書くに値するテーマなのです。あなたは自分が何を書きたいのか知りたくて書いているのです。(p190)

・要するに書いてみなくてはわからないということです。書いてみなくてはわからないというところに、この仕事の面白さがあるのです。やってみなくてはわからないことなのに、やっていないときにくよくよ悩んだりしても始まりません。今は書くのを中断していても、いつの日かきっと、火山が爆発するように書くだろう、というようなことを夢見てはいけません。五年経っても、十年経っても、そこに待ち構えているのは、きょうと同じような、書く気があるのかないのか自分でもよくわからないような日々なのです。書かなかった分だけ腕が落ちて、ますます書きたくない理由が増えるのです。それだったら、ともかく毎日書きつづけたほうがいいということになりませんか。(p193-194)

引用終わり。今気がついたのだが、理想の作家論であると同時に、「まだ見ぬ理想の書き手に向けて語りかける」というひとつのファンタジーとしても、読める。

小説を書きたいと思いながらいつも途中で挫折していた17歳の頃にこの本と出会っていたら、痛すぎて最後までよう読み通せなかっただろうと思う。今は、かなり面白い。楽しめる。歳を取って、いよいよ開き直ったのか、どうか。

読みながら、小説と短歌の共通点/相違点について考えた。書く行為の孤独については、どちらも同じだろう。異なる点はいろいろあるのかもしれないが、自分が思いつくのは2点。ひとつは、短歌が「座の文学」としての性質を持っていること。もうひとつは、短歌が「感情の器」(←今、とっさに作ったことば)としての性質を持っていること。
by konohana-bunko | 2007-02-19 22:40 | 読書雑感 | Comments(2)

音羽の猫

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夫撮影、東京・護国寺の猫。
「音羽は深江橋みたいなとこやった」と夫。どんなところやったんやろか……?
by konohana-bunko | 2007-02-17 21:49 | 猫是好日 | Comments(3)

ヒコ?

猫には「鳥を捕る猫=トコ」と「鼠を捕る猫=ネコ」の二通りがあるという。若かりし日にネズミを捕って来て廊下をかけずり回り勝利の雄叫びをあげていたわが猫ちょんぴ、最近のおもちゃはもっぱら、紐。紐で遊ぶ猫だから、ヒコか?
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ぬう、なんじゃこの紐は?
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うりゃうりゃうりゃ!でや、まいったか!
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き、今日はこれくらいにしといたるわ……ハァハァ
by konohana-bunko | 2007-02-15 22:40 | 猫是好日 | Comments(3)

貝寄風や魚養の塚に砂の粒

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12日(月・祝)所用のため大阪へ。路地で写真を少し。古いビルの扉、どちらがオリジナルの取っ手だろうか?

奈良の十輪院に行ったのは2年ほど前のこと。ここの敷地の奥まったところに、朝野魚養(なかい)を祀る魚養塚がある。
昔、遣唐使(吉備真備?)と唐の女性との間に子が生まれた。ところが遣唐使は「いずれ子を引き取りに戻るから」と言い残して、日本に帰ってしまった。待てども待てども、夫は戻らない。妻はついに、子に「遣唐使の子」という札をつけて海に流してしまう。子は大きな魚に助けられ、無事日本の父の許にたどり着いた。魚に助けられ(養われ)たことから魚養と呼ばれ、のちに僧となり、空海に書を教えたという。そんな、伝説のような、話。
by konohana-bunko | 2007-02-14 22:43 | 日乗 | Comments(0)

いちごのコップ

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Village Vanguardでコップを買った。プラスチックのコップ。透明で、凸レンズみたいなでこぼこがついていて、赤いいちごの絵がプリントされている。お子さま向けの何だかとてもなつかしい感じのコップ。こどもの頃、外から帰って来た時、うがいに使っていたような。
歯磨き用に使うことにした。
洗面台にちょっとだけ、春の空気。
by konohana-bunko | 2007-02-11 22:52 | 日乗 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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