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高いところへのぼる

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27日(日)、日月西日本歌会。今回の会場は大阪ビジネスパーク、IMPタワーのてっぺん。眼下に新緑の大阪城公園。写真は西方向の景色、大川から水上バスが来るところ。天気がよすぎて、空が白くかすんでいる。
日月の歌会に参加するようになって7年あまり、ここに来たはる皆さんはほんまに歌が好きなんやなあと感慨をあらたにする。当たり前やけど、こんな大事なことは、あらへんよ。行楽日和に、机を囲んで、詠草に目をこらして、一語一語に従って「この歌を読んで自分はどう思ったか」意見を述べ合うという、この奇特なひとびと。どんな歌でも、ばっさり切ったり拒絶したりしないで、受け入れたり寄り添ったりした上で、どうしたらもっと向上できるか考え合う。ほんまにええ人ばっかりで、わたしは泣いてしまいそうや。この、歌の話だけできる一日があれば、元気に生きていける気がするよ。

拙詠には「今時めずらしい、なつかしい風景から触発されたのでは」というご意見を賜る。(実は、毎日目にしている日常。)

  こまがへる草と錆びゆくバケツありモータープール〈ろ〉の隈処に  十谷あとり
by konohana-bunko | 2008-04-29 14:48 | 日乗 | Comments(6)

あじ祭

近所のイオンに買い物に行ったら、あじの特売をやっていた。1尾99円。
猫缶だってそれくらいはする。というわけでこの日は「あじ祭」。
ちょんぴのスタンディングオベーション。
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あじ!あじ!
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あじあじ!!
2分で完食。
by konohana-bunko | 2008-04-24 14:15 | 猫是好日 | Comments(1)

旅立つ虹

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『金子光晴詩集』は一応読み終えたので本棚にしまおうと思ったのだが、本棚にしまうためには函に入れねばならない。(ソフトカバーに函の組み合わせ。この函がキツい。パラフィンが破けそう。)函に入れようとすれば付箋を全部外さねばならず、付箋をひとつひとつ外すということは、もう一度一冊全部読み直すのと同じことだ、と気付く。ならば、と、電車の中にノートとこの本を持ち込んで、こころに触れた部分をノートに書き写す作業を始める。目が疲れたら、窓の外を見る。麦があおあおと伸びている。咲いているのは豆の花。

「しやぼん玉の唄」という作品に、しゃぼん玉に向かって

旅立つ虹よ。

と呼びかける一行があって、あ、いいな、と思う。
by konohana-bunko | 2008-04-16 22:30 | 読書雑感 | Comments(4)

「女たちへのエレジー」  金子光晴

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『金子光晴詩集 第二巻』(中央公論社)を読む。天神さんの古本市で買ったもの。本の背に箔で押されているカミキリムシが格好いい。カミキリは、大きいのも小さいのも、断然格好いいんだ。

「鮫」「落下傘」「蛾」「女たちへのエレジー」が収録されている。以下引用。

  無題

ヒンヅー寺の塀のバラモンは、極彩色の悪相な神。雙つの眼では足らず、豆が莢からはじけるやうに、縦に眉間を割つてかがやくも一つの眼。背なかからはえた六本の手は、てあたりしだいにものをつかむ。うしろには深紫の空がばらんばらんと音を立てて燃え上り燃えくづれ。

ココ椰子は八つの乳房。バナナはびつしり並んだわが指があとからあとから重つて成長してくるので、数へきれず、途方にくれてゐるといつたていたらく。足二本、手二本であらねばならぬひうまにずむでは思ひも及ばぬはみだした生きやうで、いきてゐるここの世界。

痩せ脛のヒンヅー・タミールは、夕ぐれのカキ・ルマにしやがみ、ぬれた芭蕉葉の皿のうへに、おもひおもひの品をならべて、客を待つ。そのしなじなは何何。擯榔の実。唐辛子。羊のふぐり。それから胴切りにした鰐と、金環をはめた女の片方の腕。

(p308 「女たちへのエレジー」より。原文は旧字体)
by konohana-bunko | 2008-04-15 22:25 | 読書雑感 | Comments(0)

『木香薔薇』  花山多佳子

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奈良公園で見た大道芸人。林檎にご注目。

歌の結句が「なり」で終わっている歌を見ると(ここはどうしても「なり」やなかったらあかんの?)と立ち止まって考えてしまう。また、「……のやうなり」という表現があると(「……のごとし」て、ピシっとシメたらええのに!)と思ってしまう。
助動詞にはそれぞれ意味と働きがある。それを踏まえて作者は表現したいことに適した助動詞を選択していく。その結果そこに「なり」が置かれているわけだけれど、どうも、結句の「なり」にはなじめないことが多い。
たまに歌の終わりにある「なり」に安易な音数合わせの匂いを感じることがある。そのせいで、「なり」があまり好きになれないのかもしれない。
単なる『キテレツ大百科』の見過ぎだろうか。
「なり」が悪いわけではない。使い方がよろしくないのだ。
ちょっと「なり」のことが気の毒になってきた。



花山多佳子歌集『木香薔薇』より。

エレベーターとまちがへわが家の呼びリンを押す人がゐる年に二、三度

紙マッチ擦るつかのまを確かなる火のひびきあり火の匂ひあり

仰向けのウルトラマンが十数体あけぼの山の骨董市に

マリオネットの獅子の眠れる息づきにマリオネットの蝶が寄りゆく

湯の中に芋殻黒くふくらむを「もどる」と言ふか、もどりはせぬを

見のかぎりの水田なりしか夜のバスは霞目(かすみのめ)すぎ遠見塚すぐ

やや傾ぐ鏡の中に大いなる傾きとして夜の障子は
by konohana-bunko | 2008-04-11 20:55 | 読書雑感 | Comments(3)

『風の風船』  西村美佐子

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ならまちにて。こんなバンビの柄のパジャマ着てたなあ。こどもの頃。



西村美佐子歌集『風の風船』(1991、砂子屋書房)より。

ていねいに折りてゆくとき色紙のかそけきこゑをゆびに圧(お)しつつ

ゆくりなく窓のない家おもほえり白砂糖一キロ壺にうつしつつ

ねむりゐるをさなごのからだやさしくて指の五本はたたみのうへに

あやとりの糸からまれば丹念に母なるゆびはほぐしゆくなり

をさな子の指いそがしく働きてぶだうパンよりぶだうとり出す

椅子の足五本ほど見ゆ寝ころべばものみなにはかに立ちて迫りき

猫を生んだことあるかと問へる子に驚くわれは否と言へざり

いはれなき死を強ひられし夢にゐてわれ従順にしたがふはなにゆゑ

ひそかなる夜のあゆみにときをりを鳴れる手提げの紙の袋の

落ちてゐし白紙(しらかみ)あればゆびさきにとりて一羽の鶴を生(あ)れしむ

針そつとひろひあげしときゆびさきにほそくつめたき水ながれたり
by konohana-bunko | 2008-04-10 22:51 | 読書雑感 | Comments(2)

ブック・ダイバー第3回ふるぽん秘境めぐり

かっぱちゃん&かっぱくんでおなじみのブック・ダイバーさんのミニ古本市がはじまります。このはな文庫の一箱は10日午後頃登場の予定デス。祈晴天。祈千客万来。みなさまどうぞよろしくお願い申し上げます!



生まれて初めて買ったよしもとばなな本。(でも読んでない……)
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カバーを開くと……
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おおー、カバーの裏側にはかっぱちゃんパラダイスが!!(画像、クリックで拡大表示。)
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これはもう、運命。よしもとばなな『High and dry(はつ恋)』ダイバーさんに出ております。300円。



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ブック・ダイバーさんのマスコット、かっぱちゃん(←勝手に命名。ダイバーさんお名前教えて下さい)のぬり絵描いてみました。
かっぱちゃん「ふるぽん女子部、募集中よ☆」
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■第3回 ふるぽん秘境めぐりinダイバー■
裏神保町の可笑しい怪しいミニ古本市

4月9日(水)~13日(日)
11:30~19:30
くわしくはこちらまで。

【参加店のみなさま】 からくさ 木槿堂書店 市谷・麗文堂 宇都宮・楽珍堂 古本T やまねこ書店 古本 四谷書房 このはな文庫


四谷書房さん、看板画像拝借いたしました。ありがとうございます!

このはな文庫、今回も参加させていただきます。ぜひお立ち寄り下さい。
by konohana-bunko | 2008-04-09 22:13 | 古本屋さん開業記 | Comments(4)

読書の記録 弥生

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大和の車窓から。



『ちいさいおうち』  バージニア・リー・バートン いしいももこ訳 岩波書店
『近代短歌とその源流』  玉城徹 短歌新聞社
『街道をゆく35 オランダ紀行』  司馬遼太郎 朝日文芸文庫
「イラストノート」No.5 2008 本に描くイラストレーション 誠文堂新光社Mook
『思考の整理学』  外山滋比古 ちくま文庫
『蒼耳』  玉城徹 不識書院

お。ひと桁。
玉城徹は時間がかかる。

4月に入ってから、佐伯一麦『蜘蛛の巣アンテナ』(エッセイ集)を読了。この人を読んだのははじめて。素材や切り取り方は好きなんだけれど、ところどころ文章のゆるさが気になる。どうも、ところどころ、自己愛が見え隠れする部分が目について仕方がない。(自己愛は誰にでもある。その出し方、手つきが素人くさく感じられるのだ。)そこのところだけ両手で握ってぎゅうッと絞ってみたくなる。
でもそんなことしたら私小説なんて成立せえへんか。うーん。『Norge』も読んでみたいと思てたんやけど、買うたもんかどうか。 
by konohana-bunko | 2008-04-04 20:55 | 読書雑感 | Comments(0)

日米首脳会談

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久し振りに登場の猫ちょんぴ。体重はお彼岸過ぎくらいから4kgを超えた。元気元気。
今月の25日が誕生日。
ちょんぴ「もうじきセブンティーンだぜyeah」



猫と添い寝しなくなって数年。朝起きて部屋から出ると、ちょんぴは「母ちゃん母ちゃん母ちゃん」と大声で鳴きながら従いてくる。トイレにも一緒に入る。で、後足で立ち上がる格好で、洋式トイレに座っているわたしの腿に前足を掛け、爪に力をいれて「ふみふみ」をする。猫にとっては最大限のヨロコビの表現なのだが、されるわたしは非常に痛い。そこで、ちょんぴがひょいと立ち上がる瞬間、わたしも両手を出してちょんぴと握手をすることにした。わたしがちょんぴの手を持って支えてやると、ちょんぴは「にゃー」と言いながら掌をにぎにぎする。トイレでかわす朝の挨拶、名付けて「日米首脳会談」。
by konohana-bunko | 2008-04-03 22:18 | 猫是好日 | Comments(3)

呼応するタイトル

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本棚で、偶然隣り合わせになった本どうしが、タイトルで会話しているように見えた朝。

『これでわかる食の安全読本』  山田英昌
『僕にはわからない』  中島らも

あるいは。

『食物連鎖』  ジェフ・ニコルスン
『食べすぎてしまう女たち』  ジェニーン・ロス/斉藤学
『死ぬかと思った』  林雄司
『どうしやうもない私』  岩川隆
by konohana-bunko | 2008-04-02 21:31 | 日乗 | Comments(2)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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